【バレエ】吉田都@コッペリア

五反田ゆうぽうとホールで上演されたバーミンガム・ロイヤルバレエの「コッペリア」を鑑賞しました。主役のスワニルダを演じるのは、かつて(ロンドンの)ロイヤルバレエ団でも活躍し、英国勲章まで受章した吉田都さんです。日本でも彼女の人気は高く、今日の公演チケットは完売でした。

僕にしては珍しく、パリのオペラ・ガルニエで見た「パキータ」に続いてチャイコフスキーもの以外のバレエを見ることになりました。コッペリアの音楽は、チャイコの白鳥やくるみなどに比べ、より「踊る」ことをイメージして作曲されているように思います。踊り手の動きやマイムまでもが、音楽に軽やかに乗って流れていく全3幕です。

1幕からマイムがかなりダイナミックかつ直接的に演じられましたが、吉田都の動きも最初はやや大仰に見えました。しかし3幕のグラン・パ・ド・ドゥに向けて徐々に、たおやかな腕のラインと「静」なる動きで、観客を魅了していきます。相方フランツ役のイアン・マッケイも大きな動きで湧かせてくれましたが、それ以上に吉田都の良さをうまく引き出した役割の方に、より高いポイントをつけたいと思います。

海外のバレエ団は得てしてコールド(群舞)が揃っていないことが多いのですが、バーミンガムはなかなか調和の取れたコールドでした。また2幕の人形のコッペリアでも、特にコッペリウスとのコミカルな絡みで、ともすると冗長になりがちなパートを飽きさせずにうまくこなしていました。吉田都への拍手は一段と大きかったですが、決して独り舞台というわけではなかったです。ただ、カーテンコールの途中で客電をつけたことには、違和感を覚えましたが…