【女子の本懐】小池百合子の大臣日記

守屋武昌・前防衛省事務次官収賄容疑で逮捕されましたが、彼の名前がマスコミに大々的に登場したのは、防衛省人事をめぐる小池百合子・前防衛相との確執が取り沙汰されたときでした。この本は、小池氏が大臣として市ヶ谷の防衛省に籍を置いた55日間について、淡々と語られています。守屋氏も随所に登場するものの、あまり詳細には触れておらず、ニュートラルな中にネガティブさを散りばめたという程度の描写になっています。

しかし、当時のマスコミ報道や、言葉の端々ににじむ小池氏の忸怩たる思いを併せて考えると、守屋氏に対する敵対心が窺い知れます。全般的には、大臣とは言え目線が「上から」ではなく、防衛省という組織に初めて外部から入り込んだというフレッシュな視点です。分量的にも新書なので手頃ですし、切りがよいので通勤途中などにも読みやすいです。

ちなみに文春新書で770円です。小池氏が留学先にカイロを選ぶいきさつや選挙の内幕なども、ちょっと新鮮な切り口で知ることができるので、おもしろいですよ。