【雨と夢のあとに】観覧車のメタファー

このドラマ、なんとなく他のことをしながら見てたので、誰が生きていて誰が死んでいるのか、最後までよくわからないままだったよ。最終回の最後のシーンは、観覧車の中での父と娘の会話だった。話の筋とは関係ないけど、この観覧車は東京の郊外にある多摩テックという遊園地のもの。ここは僕が大学時代に4年間アルバイトをしていた思い出の場所なんだ。ラーメンなどを扱う軽食コーナーが一番長かったんだけど、その周辺の映像も映って思わず懐かしくなったよ。

観覧車って、ある一定の時間、外の世界から隔絶される。そして、日常を離れた高みから、日常を見下ろすことができる。そんな特殊性が、こういうシーンで使われる理由なんじゃないかな。実はこの多摩テックの観覧車は僕がアルバイトをしている頃にお客さんを下ろさずに一晩越させてしまったという事故を起こしたことがある。そのことをヒントに書いた小説「月の劇場」を僕のホームページにアップしているけど、村上春樹の「スプートニクの恋人」でも観覧車が印象的に使われていた。

数分の非日常を楽しんだ後は、またいつも通りに戻っていくんだけどね・・・