【ノマディック美術館】Ashes and Snow展

ブログ仲間でもあるMOGAさんが絶賛していたこの展覧会は、お台場(りんかい線東京テレポート駅前)にコンテナなどを駆使して作った仮設の会場で、動物と人間の交流を中心に描き出したグレゴリー・コルベールのプロジェクトによる写真や映像を見せてくれるものです。手法はちょっと斬新でもあるけど、最近この手のコラボレーションは珍しくないかもしれません。

それでもコルベールの凄さは、「人間と動物」というよりも「人間をひとつの種族として、他の哺乳類や鳥類と並列に扱っている」ように描いているところでしょう。以前、僕はメイプルソープの白人と黒人の頭部を重ねて撮った写真を見て、「同じ人間でもこんなに違う骨格、こんなに違う特徴なのか」と絶望的な思いを抱いたことがあります。コルベールは逆に、「人間も象も鳥も鯨も何が違うんだ。同じじゃないか」というメッセージを強烈に僕に与えてくれました。

一点気になったのは、この展覧会のコンセプトとして「デジタル処理をせず、カメラを通して見たままを表現する」とありますが、手漉きの和紙を媒体としたり、アンバーとセピアの色調で表現することはある意味デジタル処理のようなものなのではないでしょうか。表現方法としては素晴らしいし、何の問題もあるわけではありませんが、写真を撮影してフォトショップで「自分が実際に見た感覚」に近づけるためにレタッチしている僕にとって、彼らの言う「見たまま」とは何なのかが気になったのです。

この展覧会、今度の週末までの開催です。ミュージアムショップのグッズはすでに売り切れが続出していますので、興味のある方はぜひお早めにお出かけください。金~日は夜10時まで開館しています。

http://www.ashesandsnow.org/jp/