【人事の話】ミーティングの進め方

全社員を集めたミーティングを開催して社長が話をする場合、昔の日本企業だったら総務部長あたりが司会を務めて、うやうやしく社長に登壇をうながしますよね。しかも、社長が話す内容は、事前に企画部門のスタッフが書き上げた原稿だったりします。これがアメリカの会社だと、いきなり社長がステージに上がって「Hi!」ではじまり、ジョークで聴衆の気持ちをつかんだ後、自分で作り上げたプレゼンを自分でPCを操作しながら説明するでしょう。

この「司会が紹介することなしに、いきなり社長が登場」って、慣れないとかなり違和感があるんですよね。僕が以前勤めていた某アメリカ企業が日本企業を買収して最初の事業部キックオフ・ミーティングで、本来なら事業部長が登場してはじまるところを、参加者の違和感を緩和しようと総務部長が最初の挨拶をやったところ、それを見ていたゲストのCEOが僕に「なんで、あんなことをやってるんだ」って怒られちゃいました。総務部長は最初だけで、後はプレゼンターが次の人を紹介して進んでいくことを説明したら、どうにか納得してくれましたけどね。

会議の進行に必要な「ファシリテーション・スキル」は、最近では外資に限らず必須項目になりつつあるように思います。発言の少ない人に声をかけるとか、明らかに反対意見を持っていそうな人にあえて話題を振るとか、会議の最後に担当者と期限を決めるとか、そういうこともこのスキルの重要な要素です。部下が全部セットしてくれて、あとは過去の経験をちょっと使えば務まるようないわゆるハンズオフのマネジメントでは、もう対処できない世の中です…