【北朝鮮戦】MVPは?

今日のゲームで僕が一番感動した選手にMVPをあげるとすれば、それは間違いなく李漢宰だ。ロスタイムで集中も切れそうなあの局面で、仲間が暴走しかけたところを抑えた。このゲームがなぜ平壌ではなくバンコクで開催されたのか、そしてなぜスタンドが閑散としているのか。さらには、ここでそんな暴挙に出てしまったら、母国・朝鮮民主主義人民共和国のサッカーが世界からどう見られるか。それらを誰よりも切実に思っていたのは、李漢宰だった。

僕は、彼がこの日本で生まれ育ち、日本のリーグでプレーする中であのようなメンタリティをつけたことを誇りにすら思う。まだ23歳でありながら仲間を叱り付けるでもなく、鼓舞するように退場を促すなんて素晴らしいじゃないか。

さて、プレーに目を移せば、ずば抜けて良い出来の選手は見あたらなかったが、それこそが今日の勝因かもしれない。そんな中でひとり選ぶとすれば、上がりが絶妙だった加地を抑えて、大黒ということにしておこう。今後への期待を込めて!