【アート】ピカソとモディリアーニの時代展

渋谷のBunkamuraで開催されている「リール近代美術館所蔵・ピカソモディリアーニの時代」を鑑賞してきました。僕は展覧会に行くときは、何かひとつアートを読み解くヒントやコンセプトをつかみとってこようと思っています。行くまではどんなイメージが広がるのか想像もつかなかったのですが、この展覧会は見せ方が素晴らしく、なかなか示唆に富んでいました。

まず展示されている作品の傾向が広がりすぎていないので、理解しやすい。そして、普通の展覧会では専門的でわかりにくい解説パネルが、短い文章でキャッチーに理解しやすく作られている。さらには、Bunkamura自体が持っているパリの香りをさらに深める、内装の色遣いにエスプリを感じると、いいことづくめです。

見どころはいきなり訪れるキュービズムの解説。セザンヌからブラックにつながるキュービズムの考え方は、「物事をどう切り分けて、画家が再構築できるか」ということだと理解しました。言い換えれば、写生であっても、それは(立体を平面に置き換えているというだけでも)事実をそのまま描写しているのではなく、どこに焦点をあててどう描くかは画家の頭の中で翻訳されたものだ、とも言えるでしょう。

僕は、自分で撮影したビーチバレーの写真を下記のリンクのように編集したことがありますが、これこそキュービズムに通じる作為だったのではないでしょうか。絵画は写真以上に、画家の創造力が自由自在に展開できますからね。
http://flickr.com/photos/12453467@N00/224513645/in/set-72157594151930877/