【The有頂天ホテル】演劇空間=三谷ワールド

劇場公開時から興味はあったのですが、結局DVDのレンタルまで待ってしまいました。この作品も「ラヂオの時間」や「みんなのいえ」同様に、舞台のような非現実っぽさ(嘘っぽさ)をふんだんにまぶした仕上がりで、まさに三谷幸喜ワールドです。

縦横無尽に張り巡らされた伏線が、いかにも「これは伏線だぞ!」っていう映し方なので、いつどこにつながっていくのかが楽しみです。数多くのエピソードが大晦日のホテルで同時進行していきますが、欲張りすぎという感じもせず、複雑でわかりにくいということもありません。ホテルというクローズな空間で限られた登場人物を最大限使うという手法も、まさに小劇場的ですね。

今が旬のオダギリジョー篠原涼子が、特徴あるキャラクターを見事に演じているけど、テレビドラマよりもずっと活き活きして見えるのは何故でしょう? 三谷作品の常連・石井正則梶原善寺島進らの脇役はいかにもな役柄ですが、安心感を与えてくれます。エンディングはちょっと尻すぼみにも見えましたが、表情が緩んだままの136分でした。一緒に見た相方とは笑いのツボが違ったので、いろいろな楽しみ方ができる作品なんだと思います!