【DVD】Mr.&Mrs.スミスに見る文化

アンジェリーナ・ジョリーの感情に流されることのなさそうなクールさが印象的ですが、意外にも情にほだされてしまうという展開に。ブラッド・ピットとお互いに「そんなに興味ないぜ」とクールに見せかけつつ、実はかなりのホットというふたりの関係の描き方は素敵でした。実際も夫婦のこのふたり、日常はどうなのかといういらぬ憶測を巡らしたくもなりますよね。

一番の見せ場は、アンジェリーナが撃ってみなさいよとばかり、"Come On!"と叫ぶシーンの表情です!
でもこれ、アメリカでアメリカ人がやるからサマになるんだよね。日本人女性が同じことを日常の場面でやっても、ただの「危ない女」にしか見えません。やはり、映画を読み解く文脈にも、背後にある文化が大きく影響しているということでしょう。

で、日本人でサマになる女性がいないかと考えて、思い当たったのが山口智子。彼女だったら、安っぽくならずに挑戦的な表情ができそうです。日本人には合わないとはいえ、韓国人や中国人なら似合いそう。チェ・ジウでもチャン・ツィイーでも結構ハマりそうな気がします。日本は「大和なでしこ」が尊ばれるっていうことかな・・・

この映画、夫婦ゲンカのシーンまでは楽しめたけど、その後の組織と戦う部分はちょっとやり過ぎだし、最後のカウンセリングのシーンなどは完全に蛇足です。アクション性を追求せず、人間ドラマで終わった方が作品としてはまとまったのではないでしょうか。