【人事の話】M&Aこぼれ話

僕の会社はM&Aにからむことが結構よくあって、僕もこれまでの3回ほど、その関係の仕事をしたことがあります。そのうち2件は、実際の買収につながっているので、かなり確率が高いですね。M&Aの最初の段階では「デュー・デリジェンス」という買収候補先の資産や人材、制度などの精査をするんだけど、この時点では極秘で動くことが多いので、気を遣います。

人事の場合、候補先の就業規則や人員構成、退職金の引当状況、教育体系、給与水準などを調査するんです。でも、買収のための精査であることを知っているのはトップだけで、説明してくれる人事部長や課長には僕の身分は伏せておきます。あるときはコンサルティング会社のコンサルとして、あるときは都市銀行系証券会社の社員として、先方の会社を訪問します。一度、自分の会社のロゴの入ったバッグを持っていってしまい、直前で気づいてコートで隠しましたけど・・・

そんな調査で明かされる情報はごく一部なので、後から思いもしない事実が判明して、頭をかかえることもあるんですよね。買収の成立までには、本社のトップに対するプレゼンもあり、全社揚げての一大イベントになってしまうんです。