【Bunkamura】ルーベンス展

渋谷のBunkamuraのザ・ミュージアムで開催されている「ルーベンス展」へ。ルーベンスといえば「フランダースの犬」のラストでネロとパトラッシュが、アントワープの大聖堂で出会う絵画として有名ですね。今回の展示では、ルーベンスの工房でどのように弟子の育成を行っていたかという視点も盛り込まれています。ファン・ダイクは弟子の中では傑出していたようですが、それでもルーベンスにはまったく敵わなかったことがよくわかります。

ルーベンスの作品は、ティツィアーノをはじめとするイタリア絵画のアプローチに沿いながらも、抜きんでたデッサン力によって、他の画家とは一線を画しています。平板なスナップショットになりがちなイタリア絵画の手法に、コンテキストを表現することで絵画の領域を広げたことが彼の魅力だということが認識できる展示でした。今回は版画も多く展示されていますが、それも彼のデッサン力あればこそですね。

キュレーションも興味深く、おもしろい展示なのですが、出展数はあまり多くありません。これだけの作品しかない中で苦労の跡がしのばれますが、やはり全体的な印象としては「尻つぼみ」な感は否めません。終盤にもう一山持ってきてくれたら、展示室を出る時の印象はまったく変わっていたと思います。

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_rubens/index.html