【映画】ツナグ

ニューヨーク旅行記はまだまだ続きますが、このあたりでJAL機内で見た映画のレビューも書いてみます。今回は往路に4本、復路に2本の映画を見ました。その中で、想定以上に考えさせられたのが「ツナグ」でした。

この作品は、人の死を扱っています。今となっては知りえないはずの「死んでしまった人の思い」を知る術として、生ける人間との間を取り持つ「ツナグ」という架空の職業について語られます。ロジカルに考えると、戦争などでよく後継を絶やさずに続いているとか、死者は妙に冷静に自分の死を受け容れているとか指摘することもできるけれど、フィクションなのであまり深く考えないことにしました。生ける人間が幸せに生きるために、死者との関係を清算する。その役割を負う「ツナグ」がいないのなら、我々は人の死をどう受け容れればよいのか。それが考えさせられたポイントでした。

主演の松坂桃李桐谷美玲橋本愛ら若手が好演している一方、ベテラン陣は鉄板過ぎて作品のオリジナリティを損ねているようにすら感じました。八千草薫仲代達矢樹木希林… ハマってはいるのですが、いつもこの顔ぶれに頼らなければいけないところに、日本映画界における役者の層の薄さを感じてしまうのです。佐藤隆太も、どんな作品でも同じ雰囲気になってしまうのは、破らねばならない壁でしょうね。

http://www.tsunagu-movie.net/05cast/index.html