【写真】篠山紀信展「写真力」

東京・初台の東京オペラシティアートギャラリーで開催されている篠山紀信展「写真力」に土曜日の開館時間に行ってみたところ、行列ができていました。列を作っている人たちは比較的年齢層が高めで、写真に興味があるというよりは被写体となっている芸能人のファンのように見受けられました。
 
この展覧会で取り上げられているのは、山口百恵美空ひばり勝新太郎長嶋茂雄ら一世を風靡した有名人たちが中心。人間の肉体美を捉えたコーナーでは、バレエ・ダンサーっであるマラーホフやルグリが被写体になっていまいたが、それよりも鬼気迫る表情を見せる三島由紀夫の肉体の方に迫力を感じました。アートはプロダクトアウトの典型だけど、受け手の解釈によって価値が再構成されます。だからこそ、奥が深いのですね。
 
作品によっては、レタッチを施して彩度をかなり上げているものもありました。そんな画像は嘘っぽく見え、逆に彩度を下げて白黒に近づけたものは「深層に迫って」いるように見えます。篠山紀信ほどの巨匠の作品でもそう感じてしまうのですから、素人の作品をいじるともっと極端に印象が変わってしまいそうです。