【人事の話】公平な雇用とは

会員登録している日経ビジネスオンラインから、毎朝会社のアドレスのメールで新着記事の情報が届きます。先日配信されたあるシリーズもののコラムには、「非正社員は社員ではないのか」と題したものがありました。このコラムはフィクション仕立てで、マルコーという中堅流通チェーンの人事部長・野々村さんのストーリーが展開されています。

今回は、野々村さんが「管理職の給与を引き下げる一方で、パートやアルバイトなどの非正社員の雇用には手をつけない」ことを提案したのですが、非正社員の雇用を守ろうとする野々村さんと、非正社員を雇用の調整弁にしようとする地域部長が対立します。

話の中では、農家の奥さんなど社員側の都合で非正社員が増えてきたのが実態と説明していますが、これは現実的な話とは思えません。「非正社員と言えども大きな戦力なのだから、雇用を守って当然」と言えば聞こえはよいですが、裏を返せば「大きな戦力なのに非正規でしか雇用してこなかった」ということです。果たして、これがフェアな対応でしょうか。

同様に、「ウチの会社は派遣であろうと同等に扱う」と公言する会社がありますが、それならなぜ正社員として雇わないのでしょう。都合のよいところだけ「公平」に扱うのは、実は究極の不公平なのです。