【アイスホッケー】ラビッツ廃部へ

報道ステーションのスクープで明らかになったアイスホッケー・西武(SEIBUプリンスラビッツ)の廃部は、アメリカンフットボールオンワードとともに景気情勢を反映した企業スポーツのリストラとしてマスコミにも大きく取り上げられています。もともとコクドと西武鉄道の2チームを合併したあたりから、危ない雰囲気は漂っていましたが、こうなってしまうと残念でなりません。

しかし、所詮は企業スポーツだったのです。明確にプロ化とかクラブチーム化というビジョンがあったわけでもなく、チーム運営も決して「収益拡大を目指して、本格的な動きをしていた」形跡などはありません。西東京市フランチャイズとして、小平市西東京市といったかなり小さく限定したエリアでおざなりな営業活動はしていたようですが、東京や埼玉南部のような広域集客に動けなかったアリーナの立地も西武鉄道の周辺開発の一環でしかなかったということなのでしょう。

僕はかつて、Jリーグに存在した「横浜フリューゲルス」のサポーターでした。ご存知の通り、佐藤工業の撤退と全日空の経営投げ出しによって、「マリノスに吸収合併」という結果でチームは消滅しました。あのときの僕の怒りは「プロチームでありながらサポーターを満足させる経営を怠って、目先の収入重視の場当たり経営をしておきながらあっさり投げ出すくせに、マリノスのスポンサーとして留まる」という全日空の傲慢さでした。それに比べれば、今回の西武グループの行動は企業活動として考えれば理解できないものではありません。

幸い、アジアリーグには来季からの参入を目指して「東北フリーブレイズ」が立ち上がっています。少なくとも高給のベテランには来季の契約は厳しいものになるでしょうが、これからのアイスホッケー界を担う若手には活躍の場が残されたことは幸いだったと思います。ただ、まだラビッツもチーム譲渡の交渉中なので、願わくば東京近郊フランチャイズで残って欲しいものです。