【ドラマ】「斉藤さん」の敵は

前回のクールは僕としては豊作だったのですが、今クールで見ようと思っていたのはこの「斉藤さん」だけでした。何と言っても、僕自身がこの斉藤さんのキャラに近い発想をすることが多く、ドラマほどではないにしろトラブルになったこともあるもので… 日本テレビも、かなり番宣に力を入れていますよね。

キャスティングは主役の観月ありさはもちろん、保育園の母親グループの高島礼子、その取り巻きの濱田マリ、優柔不断なミムラといかにもな感じは否めません。それだけに役作りには無理がないように思いますが、古田新太の園長だけはキャラを立てようとし過ぎて失敗しています。

初回放送を見て、僕の期待を裏切ったのは斉藤さんのトラブルの相手がガラの悪い男だったり高校生だったりとあまりにも無難すぎて、実際の社会風刺の域には達していない点でした。公式サイトを見ても、斉藤さんに対するトラブルメイカーになるのは、市会議員の息子を含む高校生たちのようです。若者が無軌道なのはある意味当たり前で、現在の問題は「本来それを注意すべき大人・高齢者の方が、かえって行動に節度がない」ことではないでしょうか。その点を掘り下げずに若者を悪者にするだけでは、新鮮味も社会批判も生み出せず、凡作に終わる可能性が高いです。

この作品にはドラマのおもしろさとしても、そして社会への問題提起としても期待しているだけに、視聴者やスポンサーにおもねて単なるコメディで終わってしまって欲しくないと思っています。

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