【ポンピドーセンター】異邦人たちのパリ展

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国立新美術館の「異邦人(エトランジェ)たちのパリ1900-2005 ポンピドーセンター所蔵作品展」を、会社帰りに鑑賞してきました。東京都美術館のオルセー展は金曜日の夜間開館をやっていないのですが、こちらは8時まで鑑賞できるので、ゆったりとした金曜日の夜を過ごせます。

国立新美術館の開館記念の企画展では、あまりの展示の多さと網羅性に賭けたような展示に苦言を呈しましたが、今回の展覧会はなかなか素晴らしかったです。もともとポンピドーセンター(フランス国立近代美術館)のラインナップが良いこともあるのでしょうが、展示の一貫性やトータルの雰囲気、それに空間の使い方が心地よいのです。

まずは昨年の竹橋でも出会った藤田嗣治の「カフェの女」との再会に始まり、ピカソモディリアーニシャガールらの、作品自体はそれほど名の通ったものではないにせよ趣味の良い作品が並びます。ここで目を惹かれたのが、ピカソの「座せる裸婦」。鬼気迫るほどにせつない表情の緻密さと、それ以外のパーツの大雑把さの対比が興味深い作品です。

25年近く前に庭園美術館で開催されたグッゲンハイム美術館展で初めて知り感動したカンディンスキーの作品も、ポンピドーの所蔵品の完成度は高いように思います、それが、「相互和音」でした。フランス出身でない画家にスポットを当てたにしては、パリという糸で紡がれた作品群は共通点すら感じられ、とても充実した気分で会場を後にすることができました。5月7日まで開催されていますので、お見逃しなく!


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