【アート】ロダンとカリエール

上野の国立西洋美術館で開催中の「ロダンとカリエール」展に行ってきました。ロダンは「考える人」で有名な彫刻家だけど、カリエールはそれほどメジャーではなく、僕も先日見た展覧会で発見してから気になっていた画家です。

展覧会の紹介を兼ねた最初のパネルに「カリエールもまた、彫刻家だったのだ」というロダンの言葉がありました。カリエールの描く絵は、モノクロのデッサンと油彩の中間のような淡い、そして濃淡がはっきりと表現された作品が中心です。冒頭の言葉を念頭に置いて鑑賞してみると、カリエールの描きたかったものが「濃淡」だったとすれば、それはつまり人間の体の細かな凹凸であり、すなわち彫刻家の目線だったのだと納得させられました。ロダンの描いたデッサンで本の挿絵に使われたものがありましたが、カリエールと似たアプローチでしたよ。

そんな淡い画調で、背景に溶け込んでしまいそうな人物が多い中、肖像を描いたものはかなりしっかりと表情が描かれていました。さすがにクライアントを意識したのでしょうか。芸術家も、食べるためには作品が売れないといけないですからね・・・

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