【トリノ】荒川に神が憑いた

今朝目が覚めたのが6:20くらいで、テレビをつけるとちょうど荒川が演技を始めようとしているところだった。僕は昨日の朝、夢の中で「荒川金メダル」というアナウンサーの声を聞いたような気がしていた。そしてはじまった荒川の演技。中途半端にも見えなくはなかったが、彼女の動きから漂ってくるオーラのようなものに、しだいに魅了されていった。

表情、構成、選曲、メイク・・・すべてが融合されて、ひとつの世界を作り上げていた。日本人にしては長身で手足の長い身体的特徴を活かした演技。開会式でパバロッティが歌った曲と同じ「トゥーランドット」からの選曲。かつて日本はフィギュアやシンクロのような採点競技において、芸術性の不足が目立ったものだったが、トリノではアクロバチックに走ったスルツカヤやコーエンにはない優雅さを見事に出し切った荒川。この金メダルは荒川本人やコーチのみならず、すべての関係者の勝利だろう。

ジャンプやスピンなど技も完璧だったが、回転中の緩急や腕の動きのタメなど、まさに神が憑いたかのような信じられないほどの出来だった。イタリアでのオリンピックだけに、"Bravo!"と声をかけてあげたい。「ブラボー」ではなく、ネイティブ発音に近い「ブラアボ」で! スルツカヤが3位に沈んだのは、滑走順も影響していたに違いない。荒川の後ではどんな演技でも見劣りしてしまうから。