【映画】オペラ座の怪人

8月にDVDを購入しておきながら、じっくり見たくてまだ見ていませんでした。2ヶ月以上、満を持しての「ファントム」です。もともとミュージカル版も、ほとんど場面は劇場の中という限られた空間なので、映画にしたところであまり違和感はないですね。見せ場のシャンデリア落下シーンや、地下の水路をボートで進むシーンには映画ならではのダイナミックさを感じます。

ミュージカルと一番違うのは、ファントムの描き方。ミュージカルでは「非人間」っぽく描かれるファントムですが、映画版では人間味をまとっています。歌だけで台詞のほとんどないミュージカルの場合は、ちょっとカン高く細い声質で非日常性を煽っていますが、さすがに台詞のある映画ではそうもいかないですよね。それに、ミュージカルにはない「ファントムの正体」に触れるエピソードも紹介されていることもあり、より現実的で人間的な描き方をする必要があったのでしょう。

また、序盤では控えめで歌に表情を敢えてつけていなかったクリスティーナが、徐々に心の底からの感情を歌に載せるようになる演出はなかなかの見もの。特にクライマックスの部分では、音量を思い切り上げて「聴きたい」作品です。