12進法って不思議だ

普段僕たちが使っている10進法が自然なのは、単に使い慣れているからだ。それでも角度は360度だし、1日は12時間と12進法は根深く残っている。メソポタミアでは60進法が基本だったというが、フランス語には12進法の考え方が残っている。フランス語で「70」は「60+10」で表すし、「80」は「20×4」だ。

しかし、よく考えてみれば、12は2でも3でも4でも割り切れる。12進法の親戚とも言える60進法は、さらに5でも割り切れる。これって意外に便利なことじゃないだろうか。そう考えると、10進法は2と5でしか割り切れず、日常生活で使うには不便なのだ。何かを分割するとき、小数より分数を使いたくなるのは、そのせいだろう。

10進法は両手の指の数から来ていると言われるが、12進法は「親指を除いた4本の指の関節で区切られた部分の数」から来ていると言う。これを親指で数えるというのだが、なかなか合理的ではないか。もし人類が12進法を採用していたら、今とは違う数学や科学があるのだろうか。文系思考の僕にはこれ以上考えられないテーマだが、そう考えるだけでロマンを感じてしまうのである。