【映画】オデッセイ

映画「オデッセイ」は原題が"The Martian"なので、そのまま訳せば「火星人」。さすがにそれでは違和感満点になってしまうので、邦題をつけたくなる気持ちはよくわかります。ほぼマット・デイモンの一人芝居のような内容ですが、それで141分を緊張感を保ちながら見せてくれるのは、リドリー・スコットの手腕なのでしょうね。かなり都合のよいように科学が便利に使われている印象だし、率直に言って展開も予想通り。それでも、見終わって十分に満足感がありました。

実際の撮影はヨルダンで行われているらしいのですが、火星にしては荒涼感がちょっと不足しているようにも思います。それより、火星の重力や空気圧についてはあまり考証を考慮に入れていないようで、そこまで割り切るのもエンタメとしては必要なのかもしれません。

僕が一番印象に残ったのは、音楽で貼られた伏線の妙。指揮官の女性メリッサは「音楽趣味が最悪」と評されるディスコ好きで、彼女が火星に残したトラックで一番まともなものがドナ・サマーの"Hot Stuff"という設定。そして、エンドロールが流れる際の音楽が"I Will Survive"なのですが、まさにこの作品のテーマとも言える歌詞なので、思わず納得しました。ここは"Stayin' Alive"という手もあったけど、やはり女性ボーカルで揃えたかったのでしょうね。