トム・ヒドルストンの無表情な中に微妙に映る心の動きも見事なら、ヒュー・ローリーのいかにも悪役然としたアクの強い演技もオリビア・コールマンの彼女ならではの存在感も印象的でした。そんな個性の中で、「きれいどころ」を演じたエリザベス・デビッキの虚ろな表情も忘れられません。
ストーリーも練り上げられていて、舞台がイスタンブールやカイロ、マヨルカと異国感満載なところも、見ごたえがありました。ただ、話の根幹であるトムヒ演じるナイト・マネジャーのモチベーションが結局「女」であることには、若干の安っぽさを感じてしまいます。人事の仕事をしている僕としては、男性が感情に流されて判断を間違う場合、たいてい女性が絡んでいるのは経験的に事実なのですが…
全８話とショート・シリーズなので、記憶が鮮明なうちに一気に見てしまうことをオススメしたい作品です。登場人物が多く、設定が複雑なので、頭の切り替えは大変でした。
