【映画】サンバ

フランス映画「最強のふたり」の監督&脚本を担当したエリック・トレダノオリヴィエ・ナカシュが手掛けた「サンバ」を、主演女優のシャルロット・ゲンズブールにも惹かれて見てみました。かつてのシャルロットは独特の雰囲気を持った女の子を演じさせるとハマるというか、いわゆる天然系キャラの持ち味を活かした女優でした。年齢的にはだいぶ嵩んだものの、天然系キャラは本作でも健在です。主演男優のオメール・シーも、「最強の~」に続いて個性的な演技を見せてくれています。

しかし、僕がこの映画で感じたのは、フランスが抱える移民問題そのものでした。パリやニースでのテロは、なぜ他の国ではなくフランスだったのか。その根源的な意味は、この映画で語られているように思います。不法移民に悩まされながらも、それを排除するのではなく共存しようとしている。その背景にはフランスが、アフリカや中東に多くの植民地を抱えていたこともあるのです。

パリのメトロに乗っていると、出身国の文化をしっかりと主張している民族性を感じます。そんな国際性がある国家だからこそ、現在のフランスが置かれた状況になってしまっている。そんなことを痛切に感じられるのが、この作品なのです。