【東京国立博物館】法然と親鸞 ゆかりの名宝

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東京国立博物館平成館の企画展は、「動員数を上げる」企画、つまり金になる企画を実現する手法を確立したように思えます。この「法然親鸞 ゆかりの名宝」も、宗教心に篤い年配者を集める仕掛けとしては十分すぎるほどに機能しています。しかし、裏を返せば人が多すぎて展示をじっくり楽しむ環境ではないということ。二重三重に展示を取り囲み、車椅子やベビーカーではとても見られない状況の中、イヤホンガイドを使い慣れない高齢者が困惑していたり…

書や歴史を開設したパネルには興味がない僕は、彫像や絵画を中心に見ました。さすがに阿弥陀三尊立像は見応えがあるのですが、お坊さんの木造は美術的価値というよりは「アイコン=偶像」としての意味合いが強いと感じました。正直言って、疲れてしまう展覧会です。

これだけでは元が取れた気がしなかったので、いつもは見ない表慶館法隆寺宝物館の常設展示も回ってみました。実はこの博物館は、本館と東洋館しか訪れていなかったのです。表慶館はあまり多くの展示はありませんが、インド美術の展示が意外と充実しています。

そして法隆寺宝物館は静かな環境の中、とてもリラックスして鑑賞することができます。中国よりもインドや西アジアの影響を感じさせる仏像が並んでいるさまは、シルクロードが日本にまで続いていたことを感じさせてくれました。常設展をゆっくり鑑賞したおかげで、すっかり満足して上野公演を後にすることができました。

http://www.honen-shinran.com/

※画像は東京国立博物館表慶館です