【横浜トリエンナーレ】具象化された抽象

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11月末まで横浜のみなとみらい地区で開催されているコンテンポラリーアートの祭典、「横浜トリエンナーレ」に出掛けてきました。「トリエンナーレ」は3年に1回開催されるもので、赤レンガ倉庫や新港ピアなどに会場は分かれています。

伝統的な表現手段である絵画や写真、彫刻といったものはほとんどなく、映像やオブジェ、あるいは音響といったもので表現されています。絵画や写真が、芸術家の思いが一瞬の描写に凝縮されたスナップショットなのに対し、映像や音響はいったん抽象化された概念を新たに具象に展開されたもの。現代芸術を理解することの難しさが、ここにあるように思います。論理で理解するのではなく、感性で何かを感じ取れれば、それがその作品への理解なのだとは思います。しかし、自分が感じたものが一般的なのか、芸術家の思い通りなのかという疑問が残ってしまうのです。

僕が一番興味を惹かれたのは、第2会場である日本郵船海岸通倉庫の1階に展示されている勅使河原三郎の作品。これはガラスの破片に多彩な方向や強度の光を当てることによって、約10分間の長さの絵巻物に紡ぎだされています。イベントの日には、この作品の上で舞踊が繰り広げられるようです。10人ほどでいっぱいになってしまうスペースなので、平日にもかかわらず入場制限がかけられていました。

なお、チケットは一般1,800円ですが、会期中の2日間に有効です。入場する際に記名し、日付スタンプを押してもらいましたが、もう1日分のスタンプを押す欄が残っています。また会場内の写真撮影も、原則OKでした。見終わった後に受ける精神面の疲労感が、かえって心地よかったです。

http://yokohamatriennale.jp/