【あらしのよるに】絵本か落語か

狼の「ガブ」が思わず食欲をもよおしてしまう、ヤギの「メイ」がお尻をフリフリさせて歩いている仕草が、ウチのネコ「ひな」の後姿にソックリだという理由で見てみました(^^; でも、中身は期待していたよりもずっとおもしろく、思わず胸が熱くなってしまったほどです。ヤギを食べて生きる狼という食物連鎖の関係の2匹が、「嵐の夜に」知り合って友だちになってしまったがために、お互いの群れにいられなくなるという展開。あまり教育的に偏った結末にしなかったのは、好感が持てます。

ちょっと不満なのは、最初に2匹が知り合うシーンで、いつの間にか並んで歩くくらいの関係になっちゃっていること。もっとそこまでのプロセスを、ゆっくり見せてほしかったです。でも、アニメとはいえ映像も美しいし、虫の声などの効果音も絶妙で、世界に引き込まれます。プレイステーションのゲームソフト「ぼくのなつやすみ」(最近PSPでも登場)にも通じるような、のどかな懐かしさも感じさせてくれました。

まるで絵本のページをめくるように、次の展開にワクワクドキドキして過ぎた100分ほどでしたが、この作品を落語でやってもきっとおもしろいと思いました。声色を変えて、2匹を演じ分ける噺家の姿が見えたような気すらします。