【写真】ギィ・ブルダン展での収穫

最近、写真がマイブームなので、参考になりような作品をたくさん見ようと思い、展覧会やギャラリーに足を運んでいます。昨日は、清澄白河のSHUGOARTギャラリーで「米田知子展」を見てきました。巨大倉庫の管理棟にあるギャラリーで、荷物用エレベーターで行くんです。「マーラーの眼鏡で、未完成の交響曲第10番の楽譜を見る」などのコンセプトが秀逸で、もうそれだけで作品の半分以上が完成しているように感じました。

さて、メインのギィ・ブルダン展ですが、恵比寿ガーデンプレイス東京都写真美術館で開催されています。ブルダンはファッション写真を得意としていて、雑誌やカレンダー、企業広告などの写真も多くあります。以前の記事で、「写真は、写真家が現実から自分の伝えたくないものを切り捨てる」と書いたけど、そうでないアプローチもあることに気づいた点が、この展覧会での収穫でした。

画家がキャンバスに色を塗るように、写真家は何もない空間に自分の思い描く対象を、好きなように並べることもできるんですよね。それに、現実にちょっと手を加えて、自分のイメージを追求することもできる。写真って、ただ現実に手を加えずに切り取るだけのものではないと再認識できたし、アートにはそういう「さらに上」を目指すこだわりが必要なのだと思いました。

堅苦しい話を書きましたが、ブルダンの作品は理屈抜きでクールで、都会的なセンスにあふれています。自分の感性を活性化させたい人は、来週の土曜日までですので、ぜひご覧ください。

http://www.syabi.com/details/guy_bourdin.html