【ASIA】ポップなプログレ

以前ホームページに書いた内容とほぼ同じなんだけど、僕にとってロックのアルバムで一番好きなのがASIAの「アルファ」なので敢えて再度書いてみます。このアルバムのすごさは、フレーズはキャッチーなのにもかかわらず、アレンジは凝りまくっているところ。そして何よりも、プレイヤーが楽しんで演奏できる音楽になっていところです。どの曲もフェイドアウトせず、ちゃんと「終わるアレンジ」になっちるので、ライブでもそのまま演奏できるんだよね。ジョン・ウェットンのかなりウェットな(僕は「ブリティッシュ演歌」と呼んでいるんだけど)ボーカルとジェフ・ダウンズの覚えやすいメロディに、スティーブ・ハウのマニアックなフレーズがからみ、そしてカール・パーマーがノリで(実際、テンポが均一でない!)リズムを刻む。

しかし、予想通りバンドとしての「体」をいつまでもなしていられなかった彼らは、ウェットンの離脱で音楽性がまったく変わってしまった。だけど、グループとしての最盛期のきらめきを、このアルバムは間違いなく伝えてくれます。シングルカットされた"Don't Cry"もいいけど、彼らの真髄を知るには軽すぎるので、珠玉のバラード"The Smile Has Left Your Eyes"やオルガンソロが効果的な"The Heat Goes On"がお勧めです。