【三谷幸喜】みんなのいえのキャスト

三谷幸喜といえば、西村雅彦のような自分のファミリーともいえる役者を使うようなイメージがある。確かにこの作品に起用した唐沢寿明はそういう位置づけだ。だけど、八木亜希子やココリコの田中直樹のような役者としては素人に近い役者を重要な役柄で使っているのは、ある意味慧眼だと思う。まあ、素人に地でやらせるのは邪道といえば邪道なんだろうけど、これだけ完璧にはまってしまうと文句も言いにくいところだよね。

一方では田中邦衛野際陽子のような、僕でも思いつきそうな安易かつ見ていて安心のキャスティングをしつつ、小日向文世梶原善山寺宏一など小劇場路線も押さえている。キャスティングをしながら、思わず笑みを浮かべる三谷の姿が、想像できるような気がしませんか?

ストーリー自体も三谷らしいオタクがかった、それでいて最後には誰しもを納得させるような見事な展開。僕の父親は照明器具の仕事をしていた関係で、棟上だ建前だという建築業界の慣行には馴染みがあるので、昭和の時代を思いながら楽しみました。