【人事の話】男性の育休促進

ダイバーシティ、あるいは男女平等の旗印の下で、男性の育児休業について取得推進の機運にあります。育児を女性の仕事と決めつけず、役割を分担して家庭を運営するのは至極当たり前のことだと思いますし、そんな世の中になった方がトータルとしてはハッピーなのだと思います。

ただ、制度としての育児休業を取得するということだけを重視するのは、方向性がずれているように思えるのです。世の中の大企業には、「〇〇休暇」という別枠で設けられていた休暇を使わせずに、名目上の「育児休業」を取らせるように仕向けるところも出始めていると聞きます。これによって「育休取得率〇%達成!」と見栄えのよいことだけを社外に発信しようという邪な狙いが透けて見えます。

そして、何よりも育児休業はほとんどの企業において「無給」なのです。有給休暇を消化すれば給料がもらえるのに、あえて無給の「育児休業」を取得するメリットなどありません。手当を付加するなどの施策はあったとしても、見た目を優先して人事施策の優先順位をつけることは本来の人事の仕事ではないはずです。企業を評価する際に、こういう見た目だけで考えてしまうと、思わぬ落とし穴にはまることになりそうですね。