【世界フィギュア】男子FS

あれだけミスの多かった宇野が4位に入れるのだから、全体のレベルが高かったというわけではない。上位3人、特にネイサンと羽生がダントツだったということだろう。羽生は何者かが憑依したかのような鬼気迫る演技だったのに対し、ネイサンは安定した余裕のある演技。

ネイサンの得点にはまったく文句はないが、より記憶に残ったのは羽生の演技の後半だろう。コンビネーションを連ねた中に、とっておきのセカンドジャンプにトリプルアクセルを持ってくるジャンプシークエンスを成功させた。点数には直結しないイナバウアーやハイドロを織り交ぜつつ、プログラムとしての完成度を高めたことも、印象度を間違いなく引き上げていた。

羽生が負傷明けだったことを差し引いても、ネイサンとの得点差を考えると超えがたいものを感じてしまう。時差なども含めた体調も含め、ピークをどこに持ってくるかが来季以降の勝負のカギを握ることになりそうだ。