【ドラマ】キャッスルロック

「キャッスルロック」はスティーブン・キング作品や登場人物をベースとしたオマージュともいえるドラマで、キングとともにJ.J.エイブラムスが製作総指揮にクレジットされている。キング作品といえばメイン州だが、キャッスルロックやチェスターズミル、ショーシャンクなど架空ながら実在しているかのような気にさせられるなじみの地名が興味を惹く。

この作品の根底にあるのは「並行世界」。例えば自分の人生を考えても、何度も運命を分ける分岐点があったと感じるが、要はその分岐点で異なった選択をした場合の世界のことだ。これは、ある意味「輪廻転生」に近いものがあるが、それよりもその存在を信じることは容易なのだと思う。「来世」にどうやってよみがえるのかを考えるとリアリティが湧かないが、「あのとき違う選択をしていたら」であれば「何となく、あり得る」気分になってしまうのではないだろうか。

僕は、宗教上の輪廻転生は「死を受け容れやすくするための方便」だと思っているが、そそれと同じような効果が「並行世界」にもあるのだろう。天国と地獄の存在よりも、時空の歪みの方がロジカルなような気がするから、これを軸にした新しい宗教を作ったら信者が集まるかもしれない。