【パリマスターズ】錦織―アンダーソン

先週のウィーン決勝と同じカードとなったパリ・インドアの3回戦は、錦織圭とケビン・アンダーソンの一戦。ウィーンの試合と比べると、ケビンの集中が落ちている印象で、錦織の出来はそれほど変わらなかったように思う。ウィーンでは要所でコードボールがことごとくケビンに有利に落ちていたが、今日の試合は最後の最後に錦織のポイントになり、プレッシャーのかかるサービング・フォー・ザ・マッチを取り切った。

楽天にしてもウィーンにしても、錦織は波が激しかった。楽天のペール戦やガスケ戦では完璧に近いパフォーマンスを見せながら、メドベーデフには完敗。ウィーンでもティアフォー、カチャノフ、ティエムには強さを見せながら、ケビン戦ではよいところが出なかった。サーブの出来が大きく影響しているのは確かだが、勝利を意識し過ぎると狙ったコースに入らなくなる傾向もある。

デルポトロに続いてナダルも戦線を離脱したことから、レース・トゥ・ロンドンにおいて錦織はすでに当確と言ってよい状況だ。その意味では、次のフェデラーには余計なこと考えずに自分のスタイルを貫けばよい。その延長に、マスターズ初優勝やファイナルズでの活躍が見えてくるはずだ。