VIP Party 2018

[Alexandros]のZOZOマリンスタジアムでのライブ「VIP Party 2018」はプラチナチケットだったが、BSスカパーで中継してくれたので録画で見ることができた。オープニングはストリングスを交えて、ドロスのメンバーが庄村→磯部→白井→川上と登場しつつ演奏に加わり、ワタリドリのリフを繰り返すという「もったいぶった」流れ。ここから叩き続ける庄村の体力は、驚異的ともいえる。

ヒット曲のワタリドリで始めながら、その後はライブでの定番曲が続く。特に「CAT2」「City」「Wautress, Waitress! 」は懐かしい展開だ。まだ改名前の[Champaine]の時代に大磯プリンスで開催されたフェス「ハシエンダ」では、ホテルのバンケットがガラガラで埋まらない程度のバンドだったのに、今や満員のスタジアムが歓声で揺れている。うれしいような、しかし遠い存在になってしまって哀しいような、そんな気分にさせられた。リクエストによって選曲が決まるパートがあり、僕としてはぜひ「言え」を聴きたかったところなのだが、アンコールの実質的な最後が「Kick & Spin」だったことに彼らのこだわりを感じたのでよしとしよう。

声量もないし声域も狭いし歌唱力もないのに、味があってオーディエンスをのせるのがうまいという意味で、僕の中で桑田佳祐とドロスの川上洋平は同じカテゴリーに入る。この日もワタリドリでいきなり声が出ていないところが露見したが、高音はオーディエンスに振ったりファルセットに逃げたりして、うまく乗り切ったと思う。最近の曲調が少し僕の好みから外れつつあるが、ライブでは相変わらずのところが見えたので、彼らも苦しんでいるのかもしれない。