【ウィンブルドン】錦織―トミック

第2セットくらいまでは、トミックの出来の方が明らかによかった。きわどいコースに決まるトミックに対して、アンフォーストエラーが目立つ錦織という構図だった。しかし、錦織の真骨頂はミスが多くても何とか粘って勝ってしまうこと。この試合も、トミックの集中力が落ちてくるにつれて、相対的に錦織の勝負強さが効き始めた。

ただ、トミックはトレーナーとドクターを呼ぶ場面があったので、どこかを痛めていたのかもしれない。足が止まりだしていたのは事実で、そこにつけ込み切れていない錦織に物足りなさもあったが、結果的にはどうにか勝ったのだから、そのことは評価するとしよう。

3回戦はトミックに続いてオーストラリアのキリオス。トミックも変人の部類に入るが、それに輪をかけて特徴的なプレイヤーが「悪童」キリオスだ。僕はプレミアリーグエキシビションで錦織とキリオスの試合を見たことがあるが、エキシビションであることを差し引いてもおもしろい見応えのある内容だった。ウィンブルドンの舞台でこのふたりの対戦がどのように展開されるのか、とても楽しみだ。