いつもの長髪を少し小ぎれいにした馬場がこの日2点目となるゴールを挙げた直後に、片野坂監督は2枚の交代カードを使った。その馬場と林を下げて伊佐と清本を投入したのは、まだ53分という時間帯だった。2枚替えをするには早過ぎる。結果的に、支配された中盤を再び活性化させたい大分は、川西の交代を81分まで待つことになる。もう少し早く川西を入れていたら、展開は違っていたかもしれない。
そもそも、同じ1トップとは言っても林と伊佐ではまったくストロングポイントが異なる。林はくさびとなってボールを受け、シャドーに前を向いてボールをプレーさせる役割。そして伊佐は、相手の守備陣にプレッシャーをかけ続け、裏に飛び出す推進力だ。だからこそ2枚をセットで代えたのだろうが、リードした直後というタイミングが最善ではないのだ。
大分 2-2 山口(得点:馬場2/オナイウ、高木)
黄誠秀 :5.5 致命的なミスはないが加点要素なし
福森 :5.5 攻めは自重気味
松本 :6 突破力活かす
丸谷 :5.5 つなぎになり切れず
星 :6 攻めには絡んだがトラップミス多い
<FW>
後藤 :5.5 コンディション戻らず
林 :6 ポストこなす
馬場 :6.5 持ち味活かした2ゴール
<SUB>
伊佐 :5 ゴール前でのプレー見られず
川西 :6.5 左サイドでチャンス作る
<監督>
片野坂 :5.5 交代策に失敗
片野坂 :5.5 交代策に失敗
控えの選手も結果を残している大分だけに、起用策は難しいことだろう。しかし、試合展開を無視して、「あらかじめ想定した交代」に走るのは愚策だ。川西をベンチスタートにするのは終盤に中盤の支配力を上げるためのワイルドカードなのだろうから、それが必要になったタイミングで投入しなければ意味がない。