【パナ汐留ミュージアム】ブラック展

パナソニック汐留ミュージアムで開催されているジョルジュ・ブラック展は、絵画ではなくメタモルフォーシス」というジュエリーや立体の作品が中心の展覧会。事前に情報を得ていたからよかったけれど、知らずに訪れていたら物足りなく感じたことでしょう。ただ、これはこれで十分に見応えがあり、とても興味深く鑑賞することができました。

ブラックといえばキュビズムですが、ピカソに特徴的なように

キュビズムでは対象を分解するように描きます。特にブラックの絵画はモンドリアンカンディンスキーのコンテンポラリーにつながってゆく「図形の集合体」のような画風に特徴があります。ジュエリーにしても彫刻にしても、ひとかたまりとして捉えたものを扱うという意味では同じアプローチといえます。ブラックの絵画の良さは「レイアウトの妙」だと感じているのですが、個々の対象に異なるフィルターでレタッチしていると考えでもよさそうです。その究極が、立体として切り取られたひとかたまりのコスモスなのではないかと感じました。


いずれにしても絵画と同じアプローチでジュエリーや彫刻を制作しているところは、東京ステーションギャラリーで見たシャガールの立体と同様に、アーティストの目と感性はアプローチやメディアに勝るのだということを感じさせてくれます。