フィギュアスケートの団体戦は各国ごとに位置付けが異なるようで、メダルに賭ける本気度に大きく差があるように思う。日本も「決勝に残って、個人戦に向けて場に慣れる環境を作ること」がゴールのように見えたが、カナダの本気度は凄まじかった。ただ、選手は比較的抑えたパフォーマンスで、気合を入れるタイプのデールマンも静かな演技だった。カナダで一番盛り上がっていたのは、ペアのメーガン・デュハメルだろう。
日本勢が決勝では最下位に沈む中、魅せてくれたのは米国の長洲未来。オリンピックの舞台に帰ってきたことが彼女にとってのモチベーションの源泉なのだろうが、本番でトリプルアクセルを決めることも大きかった。そして、それを決めて流れに乗り、気迫満点の演技を見せてくれた。演技が終わった瞬間の感情がほとばしるようなガッツポーズに、女の思いが詰まっていた。