【デビスカップ決勝】フランス―ベルギーRubber3

デビスカップの決勝はフランスのホームながら、ベルギーとの国境に近いリールでの開催となった。初日は順当にゴファンとツォンガが勝って1勝1敗。そして迎えた2日目のRubber3、ダブルスはフランスのキャプテンであるヤニック・ノアにとって、自身の進退にも関わりかねない重要な意味を持つ一戦だった。ノアは普段からパートナーとしてダブルスを戦っているマウとエルベールのうち、あえてマウを直前にチームから外し、ダブルス巧者でリザーブに入っていたベネトーでもなく、ガスケをエルベールと組ませていたからだ。

選手入場の際に、スタンドではベネトーが号泣し、その肩をマウが抱くようにしてエルベールとガスケに声援を送っていた。シャルディやシモンもスタンドに駆け付け、フランスチームがファミリーであることを見せつける。そしてファーストセットを6-1で先取したところまではよかったが、そこから一気にもつれた。ベメルマンズとデルーアのベルギーはアドコートでのワイドサーブが冴え、フランスのミスを誘う。セカンドセットを落とし、サードセットはタイブレークで流れをつかんで優位に立った、

フォースセットも厳しい展開となったが、フランスは終盤にラッキーなポイントもあり、普段は見せない勝負強さを発揮する。DAZNの解説が「エルベールはハートが強い」とコメントしていたが、そうではない。いつもは重圧に圧し潰されるエルベールが、頼りにするマウが不在の中で覚醒したという解釈が正解だ。これで優位に立ったフランスだが、ぜひRubber4でツォンガがゴファンを破る形で優勝を決めてもらおう。