【コミック】バレエ・リュス

新宿のブックファーストでたまたま見かけて即購入した桜沢エリカの「バレエ・リュス」はバレエをテーマにしたコミックで、ディアギレフとニジンスキーの物語として描かれます。彼らのパリのシャトレ座での公演は、オペラに比べて「低俗」という位置づけにあったバレエの芸術性を、パリ市民に再認識させたようです。スタイリストだったココ・シャネルやパトロネスとして出資していたミシア・セールらも絡みながら、20世紀初頭のヨーロッパのバレエ事情を興味深く見せてくれます。

バレエをテーマにした作品ということで手にとったものの、作者しだいでは期待できないように思いました。しかし、桜沢エリカであれば、そんな心配もなく安心して読めます。僕はもともと、今は亡き中尊寺ゆつ子の大ファンで、岡崎京子桜沢エリカといった同世代の漫画家にも親しみがあったのです。中尊寺も岡崎も幸せとは言えないであろう人生になってしまっているのが残念ですが…

「コミックはちょっと」という方には、以下のリンク先の記事をお勧めします。桜沢エリカがインタビューに応える形で、本作の世界を語っています。