【国立新美術館】ジャコメッティ展

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国立新美術館ジャコメッティ展では、ジャコメッティのあの細長い造形に籠められた思いを探りたいと思っていました。そして、自分なりの答えは見出せたと思います。ジャコメッティキュビズムのアプローチを立体に持ち込んで分解的なパースペクティブを示す一方、直感的な作品も多く残しています。今回の展示では、そのあたりのバックグラウンドもよくわかりました。

では、彼は何に注目したのか。それは「骨格」なのではないかと思うのです。人間の骨格は、水平よりも垂直に方向性を表します。彼の目はX線のように肌や筋肉を透過して、骨格を見ていたのでしょう。犬と猫の造形を見て、僕は確信しました。そして、ジャコメッティが特に強い思いを抱いたのは、女性の骨盤なのではなかったか。女性をスプーンに見立てた作品からも、その思いは窺い知ることができました。

チェース・マンハッタンのプロジェクトで制作された3点については、撮影することができます。最近、このようなエリアを設定してくれる傾向にあるのは、喜ばしいですね。