【EURO準決勝】フランス―ドイツ

ディディエ・デシャンにとっては、これ以上ないシナリオ通りの展開だったことだろう。言い換えると、「こうなればベスト」と考えていたであろうベストを実現したということだ。前半ロスタイムにPKで先制すると、後半もそろそろ点が欲しくなる時間帯にドイツのGKとDFの連携ミスをポグバが突き、絶妙のポジショニングでグリズマンが飛び込んだ。

選手交代も、デシャンの思うがままだ。パイエをカンテに代え、さらにはジルーを下げてジニャックを投入する。この時点で、終了間際にヒーローのグリズマンを下げる花道を考えていたはずだ。予定通りキャバイエをロスタイムに投入して、100点満点でゲームをクローズした。

これで決勝は、僕にとって感情移入しやすい組み合わせとなった。一番好きなフランスと一番好きではないポルトガルの対戦だからである。このまま、この大会をグリズマンのものとして終わってくれればと思う。