【EURO】ドイツ―イタリア

UEFA EURO2016の準々決勝・ドイツ―イタリア戦は、お互いに負けられない、負けたくないという意識が過剰に出た試合だった。延長を含む120分の中で計7枚のイエローカードが乱れ飛んだのは主審がナーバスになったとも言えるが、実態としても激しさから来たものだった。

そしてそれはPK戦でも同様だった。ノイアーブッフォンというレジェンドが相対する中、ドイツもイタリアも最初の5人は考えすぎていた。それはベンチも同じで、イタリアはわざわざ延長後半ロスタイムにPK要員として投入したザザが外して流れを手放すと、ドイツもシュバインシュタイガーがまさかのミスでサドンデスに突入した。6人目からは余計なことを考える時間がなかったせいか決まりだしたが、イタリアは明らかに緊張した表情で出てきた9人目のダルミアンが外して万事休した。

この展開は、ノイアーブッフォンの存在感が引き出した演出だった。それだけGKが目立ったということは、攻撃陣の弱さでもある。得点シーン以外で目に付いたのは、マリオ・ゴメスが見せたヒールキックくらいだった。それでも他のチームも安定しない今大会においては、ドイツは頭一つ抜けた印象がある。大会を盛り上げるために、明日未明のフランスの戦いに期待しよう。