京都から、一度訪れてみたかったMIHO MUSEUMに向かいました。ここは宗教団体の施設のようですが、美術館としては上質です。JR琵琶湖線の石山駅からバスで50分と「秘境」ともいえるロケーションで、美術館というより天界のような場所なのです。バスが着くレセプション棟で入場券を買った後は、10分ほどの徒歩か電気自動車で展示棟に向かいます。途中トンネルを抜けると、木々に囲まれた山上のギャラリーが忽然と現れました。
展覧会「かざり」を開催中でしたが、そこで感じたのは日本美術の持つ「もったいない」の要素でした。曼荼羅や屏風絵に特徴的なことですが、ちょっとした空間をも意味のある意匠で埋めて、より密度を上げようとする「最上志向」の努力が感じられたのです。省略する美学を様式化した水墨画とは対照的な世界ですね。