厳密に言うと人事領域ではないのですが、ピーター・ドラッカーの経営学をユダヤ人とヒトラーの関係、カント哲学などと絡めながら書かれた本を取引先にいただいたので、早速読んでみました。「ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー」は、慶應義塾大学商学部教授の菊澤研宗によるものです。
最後のまとめは国粋主義的な臭いもしてしまい、かなり強引な印象があります。その点は、学生時代に結構好きで読んだ渡部昇一に通じるものを感じました。しかしながら、ドラッカー経営学の解説はわかりやすく、共感できます。「マネジメントはサイエンスではなくアート」とか、「経済合理性を追求するとイノベーションは起きない」という部分も共感するのですが、「自律性は全体主義へのアンチテーゼであり、組織が間違った方向に暴走しないために必要」という解説は新鮮です。