【CDJ 15/16】Day-3

COUNTDOWN JAPAN 1516の3日目レポート。サカナクションまで見たかったものの、体力的に限界だったので4時前に離脱してしまったのだが悔やまれる。

☆ねごと

曲も聴いたことがないままのライブだったが、しっかりロックしていてステージとして良い仕上がりだった。特に藤咲佑のシンプルでソリッドな5弦ベースとギターの沙田瑞紀のカッティングは素晴らしかった。ボーカル兼キーボードの蒼山幸子は、どちらかに専念した方がパフォーマンスは確実によくなるのだが、どちらの彼女を失ってもバンドとしては致命的だろう。ただ、彼女の声質はこのバンドの曲調にはミスマッチだ。

ドラムスの澤村小夜子は、演奏中に500mlの紙パックから飲み物をストローで飲んでいたのは、プロとしてはいかがなものか。

cero

楽器構成に興味を持って聴いたが、楽器の良さがまったく引き出せていない。また、PAのバランスが悪く、この手の音楽では理解できるがベースの音量が大きすぎて管楽器の音色が伝わってこないのは残念。

MOONステージは飲食ブースの煙と臭いが充満していて、とても音楽を楽しむ空間ではなかった。


友人の話では「いつも以上に不安定だった」とのことだが、ボーカルの尾崎世界観の裏声を張り上げるような歌い方と白目をむく表情は生理的に受け付けなかった。彼のステージネームは「世界観がいいですね」と言われて疑問を持ってつけたとのことだが、狙ってではないにしろバンドのコンセプトが「独特な世界観」だと言われても仕方ないだろう。

☆Nothing's Carved in Stone

昨年に続いて、CDJにおける僕にとってのベストアクトはナッシングスだった。生方とひなっちの完成されたコンビネーションに支えられ、村松拓も自信を持ってカリスマティックなMCをこなし、演奏中も楽しそうだったのが印象的。ひなっちはテナーでの演奏とは異なり、ノリを前面に押し出していた。

モニターの返りが不十分だったのか、村松の歌うキーが微妙に低かったり、ひなっちが何かをしきりにアピールしていたりという場面が見受けられた。

彼らの演奏の良さを一言で言い表すなら「ダンサブル」だと、このライブの途中で気づいた。変拍子やブレイクも多い構成ながら、オーディエンスの体が自然と動き出すようなファンク系の要素を含むリズムが心地よい。


このバンドもクリープハイプ同様に、ボーカルがハイトーンというよりは裏声の張り上げ。こういうスタイルが世代的には受け入れられているのだろうか。せっかくの音楽性を高めることはなく、単に安易な差別化を生み出しているだけに見える。

「顔出ししない」ことも同様で、ステージ横に据え付けられた2基の大型モニターの映像でも首から下しか映さないことには違和感しかない。そんな差別化で売るのはもったいないと思う。
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2日間通してのベストアクトはナッシングスだが、ドロスとねごとも非常に満足度が高かった。30日のオーディエンスの方が変なノリでモッシュに走ったりしなかったので、僕には好感が持てた。