遊覧船の運航が始まるまでの時間つぶしのつもりで立ち寄った「とちぎ蔵の街美術館」は、想定以上に素晴らしい展示内容でした。ちょうど、北側歌麿展を開催していましたが、歌麿は栃木出身という説もあり、少なくともこの街に滞在し、作品を手掛けていたようです。
最近、栃木近辺で発見された肉筆画「鍾馗図」や「三福神の相撲図」なども保存状態もよく、見応えがあります。一番印象に残ったのは、金太郎が山姥の乳を吸っている作品で、迫力を感じました。また、数多く展示されている「絵入狂歌本」の完成されたデザインとレイアウトにも感服します。
この美術館は約200年前に建てられた土蔵を改修したもので、雰囲気もありますし、美術品の保存にも適しているように思います。昔は「おたすけ蔵」として建築自体が公共事業でもあり、また貧困対策の物資を提供したりもしていたそうです。