【東野圭吾】ラプラスの魔女

東野圭吾の新刊「ラプラスの魔女」を、発売日前日に恵比寿の有隣堂書店でフライングゲットして一週間で読了しました。東野の「これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。そしたらこんな作品ができました」という言葉が特設サイトで踊っていますが、題材こそ目新しいものの、作風はこれまでとほぼ同じでした。

物理学に題材を置いている点は、彼にしては新しい基軸であることは間違いなさそうです。重いはずのテーマをあっさりと扱っているのは、いかにも東野らしいですね。ただ、科学の持つロジカルさや厳密さがにじみ出てこないので、どうしても薄っぺらい印象になってしまいます。そこが東野の魅力だといえば、その通りなのですが…

このテーマで瀬名秀明が書いたら、もっと僕好みの深みのある作品になりそうな気がします。最後はきれいごとでまとめてしまった感もあり、買って損はしないものの、ちょっと物足りなさの残る読後感でした。