【映画】白ゆき姫殺人事件

湊かなえの原作を読んでいないので対比はできないが、この映画の一番の失敗はツイッターを十分に理解しないままに多用したことだろう。メンションやリツイートでの表現が現実離れしてしまい、さらにその活字を声優に読ませたことによって、映画としての薄っぺらさを助長してしまったように感じる。

序盤はそんな印象が特に強かったが、中盤から終盤にかけては役者陣の演技が光っていた。主人公の幼馴染を演じた貫地谷しほりや上司役の金子ノブアキの独特の存在感は、そんな中でも傑出していた。最後はどんでん返しになるが、そこに通じる違和感を最初から漂わせる蓮佛美沙子のキャスティングとキャラクター設定も絶妙だ。

しかし、何といっても一番の魅力は主演の井上真央。日陰者的なポジションで自信なさ気に生きるOLを普通に演じていたはずなのに、ラストシーンでは一転して自信に満ち溢れた表情で語る目力は、とても同じ人物とは思えない。彼女は映画デビュー作の「チェケラッチョ!!」の時から実力の片鱗をうかがわせていたが、着実に成長している。

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